土に根っこをおろし、伝統を未来につなぐ。
沖縄本島・読谷村の陶工・松田米司と、しまんちゅたちの物語。
沖縄の焼物には無限の魅力がある。
陶工たちは自然と向き合い、体を駆使し、島の土はうつわになる。
個人はいらない。ひたすら手を動かせば、沖縄の色、模様、形になる。暮らしを潤すものになる。
1972 年の沖縄本土復帰後、文化を旗印に再生した沖縄本島・読谷村。
かつての不発弾処理場は、沖縄文化を象徴する〝やちむんの里〟として生まれ変わった。
そして‘92 年、松田米司ら四人の若者が夢を託した北窯が、5年の歳月をかけて誕生。
古き良き沖縄の姿をとどめるその窯は、健やかに力強く「今」が鼓動している。
(HP より抜粋)
STORY
沖縄本島・読谷村にある「やちむんの里」の陶工・松田米司を中心に、土に根を下ろし、伝統を未来につなぐ人々の姿を追った
ドキュメンタリー。沖縄で「やちむん」と呼ばれる焼き物。沖縄の本土復帰後、かつての不発弾処理場に沖縄文化を象徴する場所として作られた「やちむんの里」には、60 を超える窯元が集まり、焼き物作りが盛んに行われている。沖縄の土で粘土を作り、自分たちの窯で焼くという伝統的スタイルは今も変わらないが、地元の白土が入手困難になりつつあるなど、問題も抱えている。4人の親方が共同で営む「北窯」の親方のひとり、松田米司は、次世代へ伝統を継承するため、資材調達に国内外を探しまわる。音楽は、「恋人たち」「ぐるりのこと。」など橋口亮輔監督作も手がける明星/Akeboshi が担当。
ナガサキリンネとつながる生き方
「生まれた島の土と出会い、職人になって、琉球人として生きる」
まっすぐな瞳とおおらかな笑顔で話すその生き方には、私たちナガサキリンネの「自分たちの 暮らしをつくるのは自分である」と言うリネンに繋がります。昔ながらの沖縄の暮らしで使われている器を作りながら も、全国や世界中に広がっているやちむんの魅力。ものづくりが巡りつながり、共に助け合い、つくる人も使う人も、 より心豊かで楽しい暮らしをつくる、そんなわたしたちが目指す風景が、北窯にあるのではないかと私たちは考え、プ レイベントとしてこの映画の上映を決定しました。静かに語りかけるこのドキュメント映画は、ものづくりを生業とする人も、そうでない人にも、わたしたちの暮らしや仕事の価値を見つめる時間をもたらしてくれることでしょう。
監督:川瀬美香
出演:松田米司(読谷山焼北窯)
企画制作: Art True Film
株式会社エーティーエムケー
映画HP: http://essay.tokyo/tsuchi/
北窯のこと
北窯は13連ある登り窯で、沖縄では最大の大きさです。1992年に松田米司氏ら4人の陶工によって作られました。沖縄の器は赤土で、どっしりとしておおらかさがあり、ダイナミックな絵付けも魅力です。日常使いの器として食卓を彩り、楽しませてくれます。
陶器も近代工業化により効率的になってきた中、全国的にも珍しく、陶器を作る工程とその材料を、昔ながらの手作業で作り続けています。開窯当初から全国各地より若いお弟子さんが後を絶たちません。そこには、先代から受け継いだ財産を確実に後継者にバトンタッチさせたいとの思いがあります。かつて不発弾処理場だった北窯のある読谷村は、いまでは60を超える窯元が集まり、ものづくりの場所となっています。
担当スタッフ
橋口 佳代(インテリアコーディネーター/ HAG 環境デザイン)
プロフィール
川瀬 美香 MIKA KAWASE
2010 年 BIG RETURNS 監督、政策
2011 年 「紫」監督、撮影
2014 年 「ちいさな、あかり」プロデューサー
2016 年 「あめつちの日々」監督、撮影
松田 米司 YONESHI MATSUDA
1954 年 沖縄県読谷村に生まれる
1973 年 那覇市 石嶺窯にて修行
1992 年 松田共司、宮城正享、與那原正守らと共に
読谷村字座喜味に 読谷山焼北窯 を開窯
1999 年 日本民藝館展奨励賞
2005 年 沖縄 宇( そら) にて個展
2012 年 北窯設立20 周年
2013 年 英国 St Ives Ceramics にて個展
2014 年 琉球王朝時代の陶器の復刻・試作を経て
新しい沖縄陶器の開発のレポートを沖縄県に提出
(平成25 年度地場産業総合支援事業に関する補助事業報告)
2015 年 OIST(沖縄科学技術大学院大学)にてメンバー等と共に北窯展開催
https://youtu.be/85vm5O51e_4