出島表門橋完成を祝うイベントの一つとして、開催させていただいた、第5回ナガサキリンネが終了いたしました。ご来場いただきました皆様本当にありがとうございました。
130年ぶりに出島に橋が架かる風景が蘇る記念すべき日を、みなさんと共に過ごせた2日間は、私たちにとっても忘れられない時間となりました。この素晴らしいタイミングで開催できたのも、これまでナガサキリンネの活動を応援してくださっていた方々のお陰だと感謝しております。今回も長崎県内はもとより、遠方からも多くの方にご来場いただきましたが、加えて出島に訪れた世界中の観光客の姿も多く見られ、改めて世界的にも大きな「出島」の存在を感じました。そして、新たな姿を見せてくれた「出島」に、多くの地元の人たちが橋を渡りに、出島の中へと入っていく姿には、観光名所という存在から、長崎に暮らす私たちもまた、新しい出島を楽しめる喜びに溢れていました。そんな熱気に包まれていた出島の姿を、誇りを持って眺めていたのは、私たちだけではないと確信しています。
ナガサキリンネの前日に執り行われた「出島表門橋完成記念式典」では、日蘭両国から皇族・王族の方々、文化・経済・芸術関係者が一同に集い、橋の完成を祝いました。祝辞で両国の方たちが語られていたのは、出島を舞台に生まれた文化や産業の発展に携わった方たちと、現代の姿の出島の完成までに尽力された皆さんへの感謝の気持ち、そして、出島表門橋が世界と長崎をつなぐ架け橋になるという大きな期待でした。今回、私たちが橋の完成のタイミングで開催したのは、かつて江戸時代に橋のたもとに並んだ店々のように、現代のものづくりや食に携わる人たちのテントが広がる風景を作る事が大きな理由でした。その実現した風景の中で生まれた出会いがめぐりつながり、架け橋となって、みなさんのものづくりや食の生業が、大きく育まれていく事を願っています。寒空の下、出店してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
企画展開催にご協力頂きました皆様にも心より感謝申し上げます。活版印刷機を前に、福岡・文林堂の活版印刷職人の山田善之さんと、小値賀島の晋弘舎活版印刷所の横山桃子さんが、出島で印刷ができる事喜びをみなさんに伝えていらっしゃる様子は、かつて出島で印刷に出会ったオランダ通詞たちの姿が重なり感動的ですらありました。そしてその意義のある空間を作ってくださったBlue Moon Design Officeの中川たくまさんにも感謝いたします。忙しいレジデンス中にも関わらず、何度も滞在先の有田と長崎を往復しながら、美しい作品群を見せてくださった、オランダ人デザイナーのAliki van der Kruijsさん。展示のための包装紙集めにご協力をいただきました、築町・江戸町の方々、飛び込みにも関わらず包装紙をご提供いただきました店舗の皆様など、展示のためにご協力いただきました全ての方々に心から感謝申し上げます。
また、この歴史的にも非常に重要な時にも関わらず、私たちを信用して開催を許可してくださった、長崎市文化観光部 出島復元整備室の馬見塚室長をはじめ、整備室の職員の皆様には、多大なご協力を頂き感謝しております。またオランダ王国大使館より助成金を頂いた事で、企画展Made By Rainが開催できました。そのほか開催までも様々なサポートをして頂いたオランダ王国大使館の皆様にも心から感謝申し上げます。
最後になりましたが、今回の開催に当たっても、ボランティアの皆さんには多くの場面で助けて頂きました。事前の準備から当日の片付けまで、適切に対応していただいたお陰で、今回も何事もなく無事に開催する事ができました。何かと慌ただしい当日に、笑顔でテキパキと役割をこなしてくれている皆さんの姿には、いつも助けられてばかりです。本当にありがとうございました。
出島表門橋の開通に合わせて「オランダウィーク」が開催されている長崎県美術館でも、小さな活版機でオランダ語「NIEUWE HALLO(あらためまして、こんにちは)」の印刷体験のワークショップが開催され、美術館と出島をつないでいただきました。オランダウィークのテーマは「ニューハロー」。オランダでプリントスタジオを持つTHE FUTURE のワークショップやレクチャー&トーク、オランダ人ダンサーと子供たちのダンスや、Studio INAMATTによるワークショップ「WISH BRIDGE」など、子どもも大人もみんなオランダのアートや文化を楽しむ空間が広がっていました。
第6回ナガサキリンネは、2018年の秋に、長崎県美術館での開催を予定しております。また来年もナガサキリンネの会場でお会いできる事をスタッフ一同楽しみにしております。
ナガサキリンネ代表 松井 知子