130年ぶりに出島に橋が架かります。これまで何十年も活版に携わってきた福岡「文林堂」の山田さんと、これからの活版を担う小値賀「晋弘舎活版印刷所」の横山桃子さんと一緒に、かつて250年ぶりに再び活版が始まった出島の地で印刷体験を行います。
禁教令の影響で日本から活版印刷が姿を消して約250年。オランダ人、印刷技師だったインデルマウルが1857年「ヤパン号(後の咸臨丸)」で活版印刷の道具一式と共に来日し、ここ出島で再び活版印刷が始まります。
「出島の印刷部屋に、丈の高いインデルマウルがしきりに日本人職工たちを督励している。そして室内の一隅にオランダ通詞・本木昌造が監督官として、椅子に腰を下ろしている。印刷機械は動く。下役の通詞たちは矢立ての墨壷に筆を染めて、刷りものを校正する。これを本木昌造が校閲する」と出島商人の目撃談が残っています。そんな印刷の風景を出島に再現し、アルビオン型手引き印刷機で、当時の「出島」を印刷します。
9月に長崎県美術館で行われたワークショップの様子です。ナガサキリンネでも福岡から活版職人の山田さん(文林堂:写真左の男性)に、アルビオン式の手引き印刷をしていただきます。(混雑時はこの大型印刷機での体験ができない場合もございます)
オランダ通詞として、「出島オランダ印刷所」で印刷される印刷物の校閲を行っていた本木昌造がその印刷物に感銘を受け、オランダ商人から活字や印刷機を購入し印刷を行う。研鑽を重ね、遂には日本語の活字の製造にも成功。現在の印刷文化の礎を築くことになります。その歴史を紐解きながら、かつて出島の中にあった「出島オランダ印刷所」を再現し、道具の展示や、小型の活版印刷機やアルビオン式と呼ばれる手引きの活版印刷機を会場の出島神学校1Fに設置いたします。
今回の企画展とワークショップは、そんな印刷の風景を出島に再現し、現在の活版職人と一緒に、アルビオン型手引き印刷機で、当時の「出島」を印刷します。また手フートと呼ばれる小型の印刷機では、同じくオランダ通詞で本木昌造の曽祖父に当たる本木良永が伝えた「地動説」に関連するものを印刷いたします。
*混雑時は体験までお待ちいただく場合や、大型印刷機での体験ができない場合もございます(職人が印刷したカードはお持ち帰りいただけます)。
*ワークショップ参加者先着200名様限定で、活版印刷が日本に入って来てから現在までの文脈が分かる小冊子「長崎と活版印刷」を進呈致します。
復活「出島オランダ印刷所」 (展示とワークショップ)
会場:旧出島神学校1F
参加費:500円 A5サイズ1枚、ポストカード
企画:ブルームーンデザイン事務所・中川たくま
協力:文林堂、晋弘舎活版印刷所、長崎県印刷工業組合
マーケット会場から表門橋を渡り、ゲート奥「出島」内にて開催いたします。入場料は、一般510円 高校生200円 小中学生100円。但し長崎市民は「広報ながさき11月号」に掲載される「出島無料入場券」を料金所での提示にて無料(1枚で5人まで)、もしくは、ナガサキリンネのパンフレットやDMを提示で団体料金(一般410円)で入場できます。