企画展「はじまりの食│対馬赤米」




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私たち日本人がごくあたり前に食べる「お米」。このお米のルーツが実は長崎の対馬にあった事を皆さんはご存知でしたか?大陸から渡ってきたとされる稲作文化ですが、その稲作発祥の地とされる対馬・豆酘(つつ)地区では、日本の稲の原種とされる「赤米(あかごめ・あかまい)」を一千年以上も神事を通して守り続ける伝統が今も残っています。国選択無形民俗文化財にも指定され、県による平成25年度の宮中献穀米にも古代米として初めて選ばれた赤米。イタリア・スローフード協会より守るべき食材として「味の箱船」にも認定されています。そんな日本の歴史・文化に置ける貴重な存在意義とは裏腹に、「対馬の赤米神事」は今大きな帰路に立たされています。

少子高齢化、現代の暮らしとは相容れない古来の年間行事の多さ、経済的な負担とが重なって、2007年からこの行事を共同耕作を通して支える「頭仲間(とうなかま)」がいない事態となりました。現在では半農半漁を営む主藤公敏さんただ一人が赤米神事を引き継いでいます。今回の企画展では「対馬赤米」の現状を多くの方に知ってもらうことで、対馬の南端にある豆酘集落の人々が千年以上もの間守り通してきた神事の存在、日本人とお米との関係性やその深い精神的つながり、毎日の何気ない「いただきます」「ごちそうさま」に宿るこころを思い返す機会になればと考えています。

今回は数量限定となりますが、11月8日(土)・9日(日)の両日に貴重な赤米と黒米を合わせた小袋セットをお配りしたいと思います。赤米は赤飯のルーツともされています。古来より赤い色には呪力があるとされ、新月満月や特別な日に食されていました。ご自宅で味わって頂けると幸いです。

また、子供達にも楽しんで対馬の歴史・文化に触れてもらえるよう、「対馬の民話の伝え語り」も行います。
11月8日(土)・9日(日)の両日13時と14時から各30分ほど。場所は同展示内(ホール)にて。語り手は「子どもの本屋」の池田照代さんです。島の人達が語り継いできた民話の中には、「やまわろう」「かおーら」など精霊に託した自然との共生、元寇襲来の悲話から浮かぶ平和の尊さなど、独特の民話が多数残ります。企画展入場の方は観覧無料ですので、素朴な伝え語りの機会にどうぞ触れてみてください。協力いただいた対馬の民話の編集者・足利谷淳さんの言葉に共感を覚えたのでここにご紹介します。
「名もない我々一人はまことに微力ではあっても「そのこころ」を、一人から一人へ伝えていくことが例え長い時間を要しても、最も確実な方法であると信じたい。」

ナガサキリンネは「こころ」を持った長崎の有志の集いです。一人また一人と小さな灯火がひろがるように、“自分たちの暮らしをつくるのは自分である”というメッセージと共に、このまちで暮らす喜びや誇り、豊かさをあなたにも抱いてもらえたら嬉しいです。

企画展「はじまりの食│対馬赤米」担当 古賀正裕

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