ワークショップ「キリシタン版を刷る」




IMG_09508

こんにちは。ナガサキリンネの中川たくまです。ナガサキリンネのプレイベントでもあった「長崎活版巡礼展」から数えると今回で4回目の活版のワークショップになります。活版印刷というものが再び注目されて、全国的にも活版の事を耳にする機会も随分と増えてきました。その活版印刷は長崎で始まり、綿々と守られ続けてきた大切な文化でもあります。

それで、今回は活版印刷を楽しむのと同時に活版印刷の源流に触れる体験にもなればと思い、「キリシタン版を刷る」というワークショップを行います。1582年に長崎から旅立った天正遣欧使節が1590年にヨーロッパから活版印刷機を持ち帰りました。その翌年の1591年、南島原の加津佐にて日本ではじめての活版印刷が行われました。以降1614年まで印刷されたイエズス会の書物の事を「キリシタン版」と呼ばれています。今回その中から、1605年に長崎のコレジヨ(神学校)で刷られた日本初の楽譜印刷であり、二色印刷である典礼書「サカラメンタ提要」を刷りたいと思います。



サカラメンタ提要の中から、”Tantum Ergo”

活版印刷はとにかく手間と時間がかかります。今回は二色印刷ですので、乾かす時間も2倍。その手間も時間も楽しめればと、五線譜の印刷を長崎県美術館で、音符の印刷を国指定史跡「出島」で行います。二会場で印刷をして初めて「キリシタン版」が完成です。スタンプラリーならぬ活版印刷ラリー。美術館と出島の間の長崎のまちも楽しんで頂ければと思います。また印刷物はポストカードにもなりますのでクリスマスカードの変わりにも(印刷の際の“ズレ”も活版印刷の魅力のひとつですが、今回は楽譜ですので印刷がズレると音もズレます。お気をつけて)。長崎で、神学校で、キリシタン版を刷る。活版の始まりの物語の追体験を、ぜひに。



「キリシタン版を刷る」

日時:11月8日(土)10時半〜14時半
場所:長崎県美術館 運河ギャラリー/国指定史跡「出島」内 旧神学校
(どちらの会場から先に印刷しても構いません)
所要時間:約15分(ただし両会場の移動の時間は含まれておりません)

参加費:1,000円
(小学生まで無料。小学生も楽しめるワークショップです)
申込:なし(ただしお待ち頂く可能性がございます。予めご了承ください)

講師:中川たくま(青い月)


(内容)
手動の活版印刷機を使って印刷を行います。キリシタン版と呼ばれる印刷物の中から今回は「サカラメンタ提要」と言うカトリックの典礼書(楽譜)を刷ります。五線譜は長崎県美術館で、音符は国指定史跡「出島」で(逆になる可能性があります)。二つの会場で印刷をしてはじめて一枚のキリシタン版になります。

その他のワークショップの内容はこちら
その他のナガサキリンネ展の内容はこちら

IMG_1032