工房を訪ねて



ナガサキリンネの特徴のひとつに長崎県美術館での企画展があります。昨日はその企画展のひとつ「長崎の伝統工芸|松原包丁」でご紹介する田中鎌工業の田中勝人さんの工房をナガサキリンネのスタッフで訪ねました。圧巻の重厚な機械が並ぶ工場の中でカン、カン、カン、カンと鉄を叩く音が鳴り響いていました。

源平合戦で敗れた平家の子孫が、1474年に大村で製法を伝えたのが始まりとされている松原鎌。松原鎌は暮らしの様式の変化や農業の機械化に伴い生産は激減しましたが、より食卓に近い包丁に姿を変え「松原包丁」として料理をする人たちから愛されています。

「切れ味ひとつで、料理の味は変わる。料理を楽しんで欲しいのはもちろんですが、その先の温かな食卓の風景をもっと増やせたら」と語る、田中さん。鋼から包丁ができるまでの工程をひととおり見せていただきましたが、固い鋼を柔らかい鉄で包むのは高度な技術を必要とし、手作業でできる人は全国でもごくわずかだそうです。

リンネのスタッフにはさまざまな工芸職人もいます。分野は違えども手からモノを生み出す職人として田中さんの作業を真剣に見入っていました。展示では鋼から包丁ができるまでの流れと田中さんの包丁や農具を展示予定です。