松井知子|List:




おなじまちに暮らす人と人

ナガサキリンネが終わって随分時間が経ってしまいましたが、まずはご来場いただきました皆さまに心から感謝申し上げます。ちょうど1年前、長崎県内の6名の「つくり手」が集い「ナガサキリンネ」の小さな芽が生まれました。そこにその想いをかたちにする「つなぎ手」が加わり、その想いを共に手をとり、少しずつかたちにしてきました。私も10名の「つなぎ手」のうちのひとりです。

国指定史跡である「出島」を見下ろす小さな部屋で店を始めて7年目です。波佐見の陶磁器はもちろんですが、他にも色々な長崎県内のつくり手のアイテムも増えて来るにつれて、お客様から「長崎にこんないいものを作る人がいるんですね!」と言われることが多くなってきました。お客様が見ているのは「物」ではあるけど、その中には作った「人」がいる。そして、その人がこのまちのどこかに暮らしているということが嬉しくて誇らしい。お客さまの顔はそう語っているような気がしていました。

会社を辞めて戻ってきた長崎で、縁があって始めた自分の店を通じて、カフェやレストランのオーナー、デザイナーなどたくさんの友人ができました。そのほとんどは、私のように一度長崎を出て戻ってきた同世代の人たちです。でもここ数年、長崎しか知らなくても、彼らと一緒に長崎の魅力を伝えている人たちも増えていると感じていました。この西の果ての小さなまちで、彼らはみなこのまちでの暮らしを楽しみ、自分たちのまち「長崎」に誇りを持っている。その彼らの顔と先述のお客様の顔が私の中で重なりました。


誰でも集まれる場をつくりたい

最初にみんなで集まった時から「誰のものでもなく、このまちに暮らす人たちみんなのものにしたい」という想いがありました。いわゆる「クラフト」や「作家もの」と呼ばれるものに縁がない人たちでも、直接手で触り香りを嗅いだりしながら、それを作った「つくり手」と話すことで、何かを感じることがあるかもしれない。カフェやレストラン、お菓子やパンなどのお店にも、つくる人のことを知ると「こんにちは!」とその人に会いにいきたくなるかもしれない。そしてそこに、他に類を見ない深い歴史と、出島から入ってきたたくさんの文化や伝統を持つ「長崎」のことを、リンネに携わるわたしたち自身が知りたいという想いがプラスされ「ナガサキリンネ」が生まれました。公的な支援や、企業などの協賛を頂かない運営は簡単ではありませんが、私たちスタッフもこのまちに暮らす一生活者であって、公的な目的や一部企業のためではなく、みなさんと一緒にこのまちを感じて楽しみたいというスタンスは何より大事にしたいと思っています。


同じ「出島」という場所でつながる

ナガサキリンネ開催に当たっては、会場をお貸し頂いた同じ出島町内にある、長崎県美術館と国指定史跡「出島」の関係者の方々に心から感謝しています。何者かも分からないわたしたちの話を聞いてくださったことで、他のイベントにはない素晴らしいロケーションと深い歴史をもつ場所で開催することができました。特に私が6年間、毎日自分の店の窓から眺めていた「出島」で、ナガサキリンネを始めることができた事は、何かに導かれたような運命を感じずにはいられませんでした。そしてリンネのリネンにご賛同いただき、出展頂いた64組の「つくり手」の方々、23名のボランティアスタッフの全ての方々にも心から感謝しています。リンネのはじまりをみなさんと共に感じたあの時間をきっと私は忘れません。「めぐりつながる、わたしの暮らし。」つながるわたしたちの先には、少しでも明るい未来が待っていると信じています。

また、今回制作しました書籍「ナガサキリンネ」の売上は、わたしたちの大切な運営資金となります。長崎県内はもとより、九州各県、関西や遠くは関東地方でも販売しております。機会がありましたらぜひ手に取って頂き、今の長崎を、そしてわたしたちの想いを感じて頂けたら嬉しく思います。私たちはまた次のナガサキリンネに向かって歩みはじめました。どうぞ、これからもナガサキリンネをよろしくお願いいたします。ナガサキリンネのある長崎の暮らしが、いつしか当たり前になる日を願って、わたしたちはこれからも活動していきます。

わたしたちのまち「長崎」に心からの感謝を込めて。

2012.05.31

 ナガサキリンネ ディレクター 松井 知子

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